ブログ三椒俳句館

満田三椒の俳句日記 日々の好きな句などを思い付くままに。

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富安風生

むずかしき辞表の辞の字冬夕焼
秋晴の運動会をしてゐるよ
炬燵出て告別式に行く時刻
羽子板や母が贔負の歌右衛門
蝶低し葵の花の低ければ
よろこべばしきりに落つる木の実かな
退屈なガソリンガール柳の芽
何もかも知つてをるなり竈猫
泡一つ抱いてはなさぬ水中花
まさをなる空よりしだれざくらかな
白桃をよよとすすれば山青き
小鳥来て午後の紅茶のほしきころ
法師蝉煮炊といふも二人きり
緑陰を襖のうしろにも感ず
かげろふと字にかくやうにかげろへる
きちきちといはねばとべぬあはれなり
よろづ足り死もかつ足りて八重桜
狐火を信じ男を信ぜざる
いやなこといやで通して老の春
殺さるるための出を待つ団扇かな
満月を生みし湖山の息づかひ
生くることやうやく楽し老の春
家康公逃げ廻りたる冬田打つ
白といふ厚さをもつて朴開く
星の夜の命静かに老夫婦
身にしみて人には告げぬ恩一つ
春の夢うらはづかしく覚めにけり
宮城まり子のマリと子猫を命名す
ニャンニャンを抱いて春眠老いけらし
遠い遠い愛しい記憶貝割菜
                     俳壇6月号
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満田三椒

Author:満田三椒
和歌山在住の満田三椒のブログ
現代俳句協会会員 「秋」同人
ホームページ:http://www.ne.jp/asahi/sansho/haiku/

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